たんぽぽの家にて

こんばんは、広部です。

昨日、エイブルアートカンパニー&たんぽぽの家のデザイン講座に行ってきました。
たんぽぽの家は、宮城県気仙沼市にある、障害者の福祉作業所であり、
エイブルアートカンパニーという団体は、そういった福祉作業所の制作物をデザインの力で、
『売れる』商品に変える支援をしているところです。

IMG_6600 (1024x683)

応援のしっぽも、手作り雑貨を販売している、仮設住宅住まいの方や在宅避難者達のコミュニティを支援していますので、デザインというものに対して最近よく考え、東京に出た折にはちょこちょこ自分で興味があるところ、友人が勧めてくれたところなど、アンテナを拡げながらいろんなところを見て回っているのです。

今回、エイブルアートカンパニーが支援の対象とし、7か月に及ぶやり取りの末にようやく固まってきたデザイン案やこれから商品化されるものを、プレゼンというカタチで拝見させて頂きました。

デザイナーさん、プレゼン中。
デザイナーさん、プレゼン中。


・・・・すごい。この一言につきます。

私にとって、デザインの良し悪しは分かりません。
ただ、支援する側であるエイブルアートカンパニーの「結果を出さなければ意味がない」という信念を非常に強く感じました。例えば、通常、1年にも及ぶ支援期間、現在7か月目ですが、支援する方も受ける方も予算をどうするかという問題があります。今回の件でいえば、ずばり、『つなぎの商品をさっくり作ってイベントでがんがん販売』というものでした。こだわるところはこだわるけれど、こだわりを最終的に捨てないために、割り切った部分をあえて創り出す、ということでしょうか。デザインや質にこだわるためには、長期間議論を重ね、熟考し、検討する必要があり、その為には、長く続けていく必要があります。例え途中で日和ったんじゃないかと言われようとも、生き延びるために何かを捨てて、最後にはちゃんと結果を出す。私も含め、昨今のNPOに足りないものであるような気がします。何かをしていることで変に満足してしまっているような、フェイスブックのいいねを押して、その人と挨拶したような、そんな感じです。

良い物を作るには労力と時間がかかる。さらに、それを認めてもらうにも労力と時間がかかる。

応援のしっぽも、本当は、ひとつひとつのコミュニティや団体に対して、もっと深くつながり応援していきたいのですが、応援のしっぽ自体が長く存在するために、あえてぐっとがまんし、その空いた時間と労力を、あまり表面に出てこない支援モデルの構築などにつかっている現状があります。
もっとお金があれば、もっとスタッフがいれば、したい事や必要とされていることが今すぐにできるのにと、何度も思います。欲を言えばきりがありません。困っている人達全員に、必要だと自分が考える時間を割いていたら1日36時間あっても全然足りないのが今です。ある一定のラインをひいて、手を出せるけどださない。そういった歯がゆさを耐えてようやく、5年後、10年後も存在し、さらに多くのコミュニティを支援することができると信じればこそ。

エイブルアートカンパニーは、それを体現しています。そして、支援を受ける側である、たんぽぽの家も、おそらく文化の違いなどとても大きな壁があったはずですが、粘り強く議論に加わっていました。どちらのスタッフにも、相当の精神力が必要に思われます。

全ての支援する側、支援される側に当てはまるものではありませんが、
私にとっては、正直、とても勇気づけられた時間でした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です